オーランド1の暇人日記から

第七弾 「ケネディ宇宙センター

ケネディ宇宙センターは、オーランドのほぼ真東、およそ100キロのところにある。

朝、7時50分、有料高速道路ビーチラインに乗る。

この有料高速道路は、オーランドから真東に向けて、ケネディ宇宙センターの手前までは一直線である。

道が真東に向かっているので朝は太陽を真正面に受けて走る。

眩しい。起き抜けの目には太陽が恨めしい。

 

およそ1時間ほどでケネディ宇宙センタービジターコンプレックスに到着する。

ケネディ宇宙センターは、ケープカナベラル メリットアイランドの動物保護区にあり、567平方キロメートルと言う

大阪府のほぼ3分の1に匹敵する、とてつもなく広大な敷地を有する。

 

今回、ケネディ宇宙センターでは、アップクロースツアーに参加してみる。

電話で尋ねたところによると、このツアーは、ケネディ宇宙センター内をNASAの専属ガイドが専用バスで案内すると言うもので

通常のツアーでは行くことの出来ない場所までも含まれていると言う。

そしてこのツアーは、通常の入場券に加えて別にアップクロース用のチケットを購入する必要があるとも言われた。

やっぱり余計にお金が・・・・・・・と、頭がつぶやいた。

あらかじめ予約が必要とのことだったのでその時に予約して、予約番号なるものを貰っている。

その予約番号をチケットブースに申し出て料金を支払いチケットを受け取る。

予約したツアーは、10時出発と言う事なのでそれまでここで唯一のライドアトラクション「シャトル打ち上げ体験ライド」に乗って

みることにした。

このアトラクションは、出来た当時プロモーションの一環としてご招待して頂いたので既に体験はしているのだが、

その折は業界人ばかりに囲まれて、楽しむという感慨がなかったのだ。

改めて、客として列に並ぶとまた別の思いが湧いてくる。

そ・し・て・・・・・・・「シャトル打ち上げ体験ライド」に乗る・・・・・・終了後、打ち上げとはこんなものなのかぁ〜・・・・・・と、

なんとなく納得する・・・・・何しろ、実物のシャトルには乗ったことが無いのでそれ以上の感想がでてこないのである。

 

アップクロースツアーは、ビジターコンプレックスをスタートし、

約2時間の行程を経てアポロサターンXセンターで終了する。

専用バスには、それぞれNASAの専属ガイドが乗り込み

溢れんばかりの知識とエピソードを披露してくれる。

車中や各ポイントでの説明後、「何かご質問は?」と聞いてくれるの

だが、それまでの膨大な説明に質問の糸口は埋もれてしまっていた。

ともあれ、このツアー、やはり通常のツアーとは全く一線を画している。

バナナリバーからの眺めは、スペースセンターの施設が一望でき

その広大さが実感できた。

これは、通常のツアーでは全く無かった感動である。

シャトル発射台では、その立地が大西洋をすぐそこに見下ろしている

のがよく分かる。

そしてその光景には、そこはかとなく壮大なドラマを感じた。

ビーケルアッセンブリービルディングは、世界最大の一階建て建造物

とかで、さすがに記念写真のメッカである。

ここで、ビルディング全景写真を撮ろうと思うと必ず誰かが前に

入ってくる。

まぁ、いいかぁ、これも記念だ、と、ひと思いにシャッターを押す。

 

私たちを乗せたアップクロースツアー専用バスは、正午ちょうどに

アポロサターンXセンターに到着した。

このアップクロースツアーは、ここで解散となり、ここからは通常の

ケネディツアーに各自合流する。

ここ、アポロサターンXセンターは、ケネディツアーのハイライトとも

言えるところで、人類が月面着陸に挑戦した歴史が凝縮されている。

その折使用されたとされるサターンロケットと全く同じ物が展示されて

いるのだが、その大きさには毎度、唖然としてしまう。

人類の夢をかなえたこのロケットの規模は、私の中にある夢の器を

突き破ってしまうからだろうと思う。

 

アポロサターンXセンターからは、一般ツアー用バスを利用して

ビジターセンターに戻る。

ビジターセンターに到着してバスから降りると、

例によってギフトショップとフードコートが待ち受けている。

ここのフードコートは、実に名状し難い。

世界最先端の科学技術を目の当たりにしたあと、開設以来何の進歩も

ない伝統的な食事に出会うと、そのコントラストは言い得て妙である。

宇宙ステーションで食事する宇宙飛行士ですら、もっとましなものを・・・・

などと考えてしまう。

しかし、空腹に選択の余地は無い。 「取り敢えず・・・」の食事をとる。

 

ギフトショップにはありとあらゆるNASAグッズが並んでいる。

NASAグッズは根強い人気があり、このギフトショップは

いつも賑わっている。

キャップ(帽子)、T-シャツなどは特価台に山積みで売られている。

一番の売れ線であることは一目にして瞭然と言ったところであろう。

中には?と思うものもある。

スペースブランケット、宇宙毛布と言うのがある。

マッチ箱ほどの小さな箱に毛布一枚が収まっているとか。

この毛布、実はアルミ製で本来は宇宙機材の包装とかカバーなどに

使用されるらしい。

紙や布のように好きな大きさに切って使えて、紙や布より数段強く

出来ているとか。

以前、JAXAのスタッフから聞いた話だが、仕事中寒かった時

このアルミを適当に切って体に巻いたら暖かかった、と言うようなことを

言っていた。

このアルミ、時と場合によってはそれなりに毛布の役目はするだろうし、

毛布としても使えるだろうが、これを宇宙で日常的に毛布として使って

いるとは、なかなか信じ難い。

何となくこじつけた強い商魂を垣間見たような気がする。

きっと、その隣りに普通の靴下を並べて「宇宙歩行器」とでも名付けて

おくと売れるのかもしれない。

宇宙ペンと言うのもある。

見た目には、ごく普通のボールペンなのだが、実は、無重力でも字を

書くことができると言う優れものとのこと。

「だから何だ!」と思わず呟いてしまう。

ここでこのペンを買う人たちに、無重力で字を書くような状況があるの

だろうか・・・・・・・・「無意味だなぁ」と思いながら、つい買ってしまった。

買ったあと・・・・・何となく、昼間専用の懐中電灯を買わされたような

気がした。

 

帰路、メリットアイランドからの橋を渡る際、海面にイルカの群れを見た。

理由も無く、なんか得をしたような気がした。

有料高速道路ビーチラインはオーランドまで真西に向けて

一直線である。

当然帰路は、夕日を真正面に受けて走る。

眩しい。 疲れた目には太陽が恨めしい。

真っ直ぐな道の向うにケネディ宇宙センターが・・・・・

バナナリバーでの施設の説明風景

大西洋を背にして発射台見学

ビーケル アッセンブリ- ビルディング

お土産の決定版!? 宇宙毛布と宇宙ペン

 

一言居士」とは

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